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IIJ.news Vol.193 April 2026


IIJ 広報部
笹島 貴明
2013年にIIJに入社したのち、スノーボード中の事故で車椅子の生活に。広報部としての業務をしながら、趣味で始めた車いすフェンシングで日本代表となり、現在は競技活動を中心に広報部で働いています。
今回はパラフェンシング選手として活動する筆者のトレーニングを紹介します。明確な区分はないですが、練習は実競技に直結した技術的な練習(テクニック)と、筋力的なトレーニング(フィジカル)に分類されます。
まず「技術面」の練習としては、「レッスン」と呼ばれる「技の練習」をコーチとマンツーマンで行ないます。レッスンでは試合中に用いる技の練習や、フォームが特に重要とされるフェンシングの構えや突き方を修正します。コーチ自身のフェンシングスタイルによってレッスンの内容がかなり異なり、イタリアっぽいとか、フランスっぽいなど、地域性のようなものもあり、選手自身のスタイルとコーチとの相性は重要です。他のスポーツと同様にフェンシングにおける指導者の役割はとても大きいので、優秀なコーチは海外のチームから引き抜かれたりします。
コーチとのレッスン以外に、「ファイティング」という選手同士で試合形式に近い練習も行ないます。試合と同じルールでの練習はもちろん、相手に何点かリードされたシチュエーションだったり、使える技を絞ったりする「“条件付き”ファイティング」と呼ばれる特定の状況を想定した練習を行なうこともあります。そのほか、テクニック面ではボクシングのサンドバッグ打ちのように、壁や人形を1人で突く練習も行ないます。海外で合宿した時、あるハンガリーの選手は合宿所の庭にある大木を剣でずっと斬っていました。
次に「フィジカル面」では、剣を持つ腕の筋力も必要ですが、体幹を鍛えることが非常に重要です。一般的なジムにあるマシンを利用したトレーニングを行なったり、チューブやロープを利用したりします。選手自身の障害の特性も考慮して、残存機能をフルに使えるように創意工夫を凝らすのもパラ競技ならではです。例えば、足がぶらつかないようにゴムバンドで固定して懸垂するといった高負荷のトレーニング以外にも、背筋や下肢機能が低く、立位保持ができない筆者にとっては、壁に手をついて姿勢を維持するという健常者なら誰でもできるような動作も体幹トレーニングになったりします。

立位のフェンシング選手も、たまに練習に参加してくれます。(写真はパリ五輪銀メダリスト古俣聖選手)
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